Inicio2            Formoza先住民族トバ族訪問記  (8/2)       船川玲子氏                                                                                                   前頁へ 次頁へ

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   やヤギが歩き回っています。家の横では手で洗濯をしている女性がいます。私達が

入っていくと、家の中から人々がぞろぞろ出て来ました。一人ずつ名前を言っては挨
拶するのですが、覚えられるはずがありません。聞いてみるとスサーナとご主人のフ
アン・セグンダ氏を中心に子供が4人、スサーナの兄弟姉妹5人、従弟4人、甥姪4
人 フアンの兄弟2人 そしておじいさんとおばあさんの計23人。皆一緒にそこに住
んでいるとか。誰も自分から私達に話しかけてはきませんが、こちらが話しかけると
必ず笑顔が返って来て、精一杯私達をもてなしてくれているのがわかります。ブエノ
スでスサーナと共に会ったセリアもいます。セリア同様、年配の人たちはスペイン語
が分からないのかもしれません。木の下に置かれた椅子に座ると、フアン氏が共同

   体の現状などを私達に説明してくれましたが、残念ながら、私達のスペイン語能力

    の限界で、詳細な部分は分からずじまいでした。

   私達の訪問はすぐに周囲にも知らされたようで、大勢の女性や子供達が集ま
って来ました。子供達は初めはものめずらしそうに私達を遠巻きにしています。でも、
写真を撮ると、好奇心には勝てぬとばかりに、その距離を縮め、私達の周りを取り囲
        
                 木陰で糸をつむぐ
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みます。「あたしの顔がここに映ってる」とレンズを覗き込んで「クックックッ」と笑い転げる子もいれば、「どこか
ら来たの?」と質問する子もいます。撮ったばかりのデジカメの画像を見せると、皆で押し合いながら一生懸命
小さな画面をのぞきこみ、互いに名前を言い合ったりしています。私達はいつの間にか、子供達の笑い声やお
しゃべりの輪の中に入れられていました。みんな目をキラキラさせ、元気で好奇心が強く、私達の子供の頃を思
い出しました。このあたりの先住民族の子供達の2割は栄養失調で、学校にも行かなくなるのだと読んだ事が
ありますが、そんな数字はとても信じられないくらいどの子も元気です。近くにトバ族共同体の小学校があり、 
小学校の近くの金網の張られた敷地の柵には「水の供給はJICAのコムレック(Comle’ec)プロジェクトの財政
援助によるもの」という看板がかかっていました。スサーナが「この井戸もJICAよ」と言いましたが、降雨量が
少なく、常に飲み水の不足に悩まされている彼らの生活の中に井戸が大きな貢献をしているのは明らかです。
元気な子供達の笑顔も井戸に拠るところ大なのかもしれません。
   女性達は自分が製作した作品をいくつも持って来て、木陰に置かれたテーブルの上に出して見せてくれ
ました。ブエノス・アイレスで初めて目にしたあのトバ族のタペストリーです。厚く重く素朴で、色合いは天然の
色、太い織り糸が作り出す粗い
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