| が出ないように準備されてしまうので、家の中で押し問答をして他の乗客に聞かれないようにしてい |
| たのです。 |
| 後で分かったことですが、このミニバスというのは一応会社が経営している形になっているも |
| のの、バス自体は運転手の個人所有で、会社は切符の販売には一切タッチしておらず、運転手の |
| 個人経営と同じ状態なのだそうです。となると乗車する前に予め運転手に料金を尋ねないと、こうい |
| う事態が容易に起こることになるわけです。ただこれも後で分かったことですが、きちんと切符を発 |
| 行する別のミニバス会社の方に乗客が流れており、事態を知らないほんの少数の乗客だけがこの |
| バスを利用しているのだとか。舗装道路が完成すれば大型バスがサービスを開始し、ミニバスは駆 |
| 逐されるでしょうから、何とかそれまでにバスへの投資をできるだけ回収したいというのが本音なの |
| かもしれません。夜も遅いし、押し問答をしていてもしょうがありません。納得できないまま私達も1 |
| 割増の料金を支払い、バスを離れました。目の前にあるのは、この町で唯一のホテルです。ソ連の |
| ゴルバチョフによく似た主人がわざわざ外に出て、私達の到着を待っていてくれました。 |
| 翌朝フアレスの町は快晴。朝9時過ぎ、宿を出ると頭上から強い太陽が照りつけ日差しに目が |
| くらむほどです。人口5千人ほどのこの町は、小さな田舎町そのもので、町内の道路は碁盤目には |
| なっているものの、メインストリート以外は全て砂利さえも敷いていない穴だらけの土の道路です。メ |
| インストリートの両側には商店が並び、伸ばした庇の下に飲料水や衣料品等の生活必需品が所狭 |