Inicio2           Formoza先住民族トバ族訪問記  (5/12)       船川玲子氏                                                                                                 前頁へ   次頁へ

におもしろくありません。「会社はこれこれの料金だと言っていた。払う訳には行かない。」と言うと、運転手は「会社は

関係ない。全てはこのPlanesでやっていることだ。」と、乗客名が書かれた書類を運転席から持ってきました。それ
がどのような性質のものか、ホテル前の暗い路上では読み取ることもできません。フォルモッサ市のホテル前で乗っ
たときから、一体どの時点で料金を払うのか気になってはいましたが、他の乗客も払っている様子が全く無いので、質
問もせずそのままにしておきました。それが今、悔やまれます。結局降りるときに料金を支払うシステムだったようで
す。降りた私達をバスの後ろに連れて行き、他の乗客に聞かれないようにして、そこで料金を請求するなんていかにも
ごまかそうとする態度がみえみえです。そう言えば、思い当たるフシがあります。11人の乗客のうち3人くらいが途中
の町で降りたのですが、どの乗客のときも何故か、降りた乗客の家の前で、ひどく長い間バスが停車していました。
夜も遅いというのに、何でこんなに長く停車しているのか、一体何をしているのか不思議でした。その度に運転手がバ
スに戻り、例のPlanesとやらの書類を持って又家の中に入って行ったりしていましたが、3人の乗客いずれに対して
も1割増の額を請求したためにもめていたに違いありません。他の乗客に聞かれると、あらかじめ安い方の料金を釣銭
.
.
が出ないように準備されてしまうので、家の中で押し問答をして他の乗客に聞かれないようにしてい
たのです。
   後で分かったことですが、このミニバスというのは一応会社が経営している形になっているも
のの、バス自体は運転手の個人所有で、会社は切符の販売には一切タッチしておらず、運転手の
個人経営と同じ状態なのだそうです。となると乗車する前に予め運転手に料金を尋ねないと、こうい
う事態が容易に起こることになるわけです。ただこれも後で分かったことですが、きちんと切符を発
行する別のミニバス会社の方に乗客が流れており、事態を知らないほんの少数の乗客だけがこの
バスを利用しているのだとか。舗装道路が完成すれば大型バスがサービスを開始し、ミニバスは駆
逐されるでしょうから、何とかそれまでにバスへの投資をできるだけ回収したいというのが本音なの
かもしれません。夜も遅いし、押し問答をしていてもしょうがありません。納得できないまま私達も1
割増の料金を支払い、バスを離れました。目の前にあるのは、この町で唯一のホテルです。ソ連の
ゴルバチョフによく似た主人がわざわざ外に出て、私達の到着を待っていてくれました。
   翌朝フアレスの町は快晴。朝9時過ぎ、宿を出ると頭上から強い太陽が照りつけ日差しに目が
くらむほどです。人口5千人ほどのこの町は、小さな田舎町そのもので、町内の道路は碁盤目には
なっているものの、メインストリート以外は全て砂利さえも敷いていない穴だらけの土の道路です。メ
インストリートの両側には商店が並び、伸ばした庇の下に飲料水や衣料品等の生活必需品が所狭
     フアレス(Juarez)の町のメインストリートの商店