Inicio2        Formoza先住民族トバ族訪問記  (4/12)       船川玲子氏                                                                                                 前頁へ   次頁へ

   助手席の男性が運転手と言葉を交わしながら、懐中電灯で盛んに窓の外のブッシュのあた

りを照らして何かを探し始めました。夜間に行動する面白い動物でもいるのかしらと思いました
が、そうではないようです。少し経ってから、探していたものがわかりました。穴だらけの土の道路
から舗装済みの新しい道路へ入る進入路を探していたのです。新しい道路は、何故かところどこ
ろ数十キロに渡って舗装が完了している場所があります。舗装道路の全線開通前に、そうした舗
装区間を車に開放しているのでしょう。助手席の男性は未舗装道路から舗装区間へ入るためのち
ょっとした進入路を、ブッシュの間に探していたのです。日本なら、全線開通前に舗装区間を使用
して良いならば、進入路を示す標識を立て、夜間でもそれと分かるようにしておくでしょうが、この
国ではそんな結構なことはしてくれません。舗装区間のあることを知っている者は、進入路を探し
て舗装区間に入れ、知らない者はそのまま穴だらけの道路を走れ、という事なのでしょう。外に向
かって懐中電灯を盛んに照らしていた我らが助手席の男性は、真っ暗闇のブッシュの間にあった
進入路を探し出しました。そこが進入路であることを知らなければ、とても夜間に車を乗り入れる
気にはならないところです。ミニバスは大きく車体を揺らして進入路に入り、舗装区間へ入りまし
.
.
た。バスはまた90km/hぐらいの速さで快調にとばします。それが20分、30分くらい続きます。そ
の区間が終わると、また未舗装の土の道路に戻って走ります。

   私達のミニバスが快適に走っている時に、すぐ横の未舗装道路を走っていく車が何台かありま

した。ライトが見え隠れするのでそれと分かります。向こうの車からも私達のミニバスのライトが見
え、舗装区間を快適に走っていることが分かるのでしょうが、舗装区間への進入路の位置を知らな
ければ、どうしようもないのです。こういうことに苦情を言わないのが、この国の民?それとも民が苦
情を言っても、この国の役人は適切に対応しないという事なのでしょうか。後に人々の話を総合する
と、どうやら後者の可能性の方が遥かに大きいようでした。 3箇所くらいの舗装区間を縫い、残りは
穴あき道路を揺られながら、「もう、限界!」と舌を出したくなった午後10時過ぎ、バスは黄色い街灯
が明るく輝く町に入って行きました。目的地のフアレスの町にやっと到着したのです。こんな時間で
もこちらの人々にとってはまだ宵の口。家の外で夕食を採っている家が何軒もあります。ミニバス
は、Door-to-Doorサービスで、乗客を家の前などに降ろしながら町中を進みます。私達の泊まる
ホテルの前に来ました。ここでちょっとトラブルです。よろよろバスを下りた私達を、バスの運転手は
後ろのほうに連れて行きました。料金の支払いです。ところが、乗車前にバス会社から聞いた運賃
より4ペソ上乗せした額を私達に請求したのです。500キロ(日本なら東京−大阪間?)走って40
ペソ(約1600円)は安いのですが、外国人だからと1割も高い料金を請求されるのは気分的におも