Inicio2            Formoza先住民族トバ族訪問記  (3/12)       船川玲子氏                                                                                                 前頁へ   次頁へ

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   モッサ州内です。バスの運転手が乗客名簿を憲兵に差出し、憲兵が乗り込ん

できました。棚の上に乗せてある乗客の荷物に触ったり、後ろの荷物室を調べたりし
ていますが、何を検査しているのでしょう。ボリビアの国境がすぐそこなので麻薬かそ
れとも武器? 麻薬ならば、麻薬犬を導入すべきですし、武器ならばX線を通さねば
だめだと思いますが、一体何のために全ての車を止め、検査するのか。全くの形式的
な検査にしか見えません。憲兵からは特に”おとがめ”も無く、再び出発です。こういう
暑い状態で何時間も座っていると、知らず知らずに大量の水分が体から抜けていくら
しく、出発前に買い込んだ1.5リットル入りのジュース2本と水筒の水はアッという間に
なくなりました。原野の中の一本道ですが、ところどころにちょっとした集落があり、国
道沿いのガソリンスタンドなどでトイレ休止があります。そんな時には、それっ、とばか
りに水のボトルを買いに降り、手足を伸ばして深呼吸です。

   18時50分。大きな太陽が真っ赤になって地平線に沈みました。フアレスの町は

まだ150km先です。夕闇が訪れ、車はライトを照らしながら相当のスピードでとばして
います。と、何の前触れもなく車の速度が落ちました。ライトに照らし出された前方
に、「迂回路」の看板があります。ここから未舗装、穴だらけの土の国道になります。
出せる速度はせいぜい30kmから40km/hになります。灯かり一つない真っ暗闇の原
野の中を車のライトだけを頼りに走る車は以前にも増して左右に揺れ、棚の荷物が落ちて
来ないか、いつも注意しなければならなくなりました。対向車が来ると大変です。舗装され
ていない道路から舞い上がる土煙が、ほんの少しだけ風を入れるために開けた窓から容赦
なく乗客達に降り注ぎ、身動きできずに折れ曲がったままのズボンの上にあっという間に降
り積もります。はるか向こうに小さく明かりが見え、バスはそこに向かって走っていきます。
相当向こうにあるらしく、なかなかその灯かりが大きくなりません。走って走って走って相当
走って、やっとその明かりが、対向して来るトラックのライトだったことが判ったりします。それ
くらい真っ直ぐで真っ暗な一本道です。ミニバスが走るこの穴だらけの土の道路のすぐ横
で、新しい国道81号線の工事が行われていました。日本と違い土地はいくらでもあるので
、穴だらけの土の道路を舗装するのではなく、より真っ直ぐで舗装された道路を、穴だらけ
の道路のすぐ横にもう1本作っているのです。昼夜兼行の突貫工事なのでしょう。ところどこ
ろで、ライトをつけたローラー車が作業をしています。
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