Inicio2            Formoza先住民族トバ族訪問記  (2/12)       船川玲子氏                                                                                                   前頁へ 次頁へ

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   フアレスの町へはミニバス(Minibus)と呼ばれる16人乗りの大きめのバンが唯
一の手段です。途中までは大型バスもありますが、フアレスまでは行っていません。
町はずれにある小さな会社で翌日昼12時に出発するミニバスを予約しました。夜の
バスは事故が多いし、強盗が出るのも夜が圧倒的に多いからです。ところが翌日、
12:00、ホテルに迎えに来るというミニバスを待っていましたが、時間が来ても現れま
せん。会社に電話しても言い訳を言うだけで、一向に現れず、やっとやって来たのは
予約時間の2時間後です。状態の良い車を回すために遅くなったなどと、いい加減な
言い訳を言っていますが、車は掃除などもう何年もしたことはないらしく、土ぼこりが
あちこちにたまっているような代物です。座席はあちこち破れ、壊れたり錆びたりして
います。それに車内の狭いこと。乗客が車内に持ち込むたくさんの荷物のため、車
内はさらに狭くなり、座席にすわると身動きも出来ない状態です。バスは街中を抜
け、ると両側にヤシの木が立ち並ぶ平原の中の一本道、国道81号線を北西に向か
って走り始めました。道はどこまでもまっすぐです。時速90km。信号などどこにもあ
りません。出発後間もなく、助助手席の男性が、乗客の名前と目的地を一人一人き
きながら記録していきます。乗客は全部で11人です。車内はひどい暑さです。9月と
いえば日本の3月にあたる春の午後だというのに、まるで透明な毛布を頭からかぶ
せられ、その上から太陽で焼かれてでもいるかのような暑さです。フォルモッサ州は
アルゼンチンの北の州。つまり赤道に近いので既に真夏なのです。暑さのために外
には動く物はまったくおらず、ただ静まりかえっています。フォルモッサ市を日中に出
るミニバスを探すのに苦労したわけがわかりました。日中はあまりに暑いので、客が
集まらず、ほとんどのミニバスは夜運行されているのです。後にホテルに着いてから
テレビを見ると、その日、気温は40度近くにまで上がったという事でした。照りつけ
る太陽を避けるため皆厚いカーテンを引いているので車内は暗く、それがまたムッと
する暑さを醸し出しています。乗客は皆、荷物の間で足を曲げたまま上下左右に揺
れながら、突然ドスンと座席にたたきつけられる衝撃も無言で受け止め、カーテンの
隙間から平然と窓の外に目をやっています。ヤシの木の他にサボテンや潅木も混じ
ってきます。100km程走った時でしょうか。バスが止まりました。外を見ると兵士が
数人立っています。憲兵です。北の方の州では、大体州境に憲兵の詰め所があり、
全ての車を止めて検査をするのですが、今止まった場所は州境ではなく、同じフォル
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