| 一般的には「高山病」と呼ばれている高度障害は馬鹿にならない症状です。高山病の原因として考えられるのは、体内組織への酸素の供給不足です。大気中の酸素の割合は一定(21%)ですが、高度が上がるにつれて酸素分圧は低下します。気圧が下がれば酸素分圧も低下し、大気中から肺の毛細血管に取りこむ酸素の量も減少します。酸素分圧の低下は、血液や各組織が低酸素状態に陥る原因となります。低酸素状態が続くと、網膜出血や脳浮腫などといった脳細胞などの壊死が進行し、不可逆的な状態になります。8000m級の高所登山を酸素ボンベや前進キャンプを用いずに行う「アルパインスタイル」という登山の手法がありますが、これを採用した経験豊かな世界レベルの登山家の多くが、8000m以上の高所に長い時間滞在したために意識が朦朧として下山時に死亡したり記憶障害を煩っています。 アコンカグア峰は6962m(日本の観光ガイドなどには6959mと出ていることが多いが、地元の登山地図は6962mと表示している)ですので、ヒマラヤほど深刻ではないと思いますが、私の高校時代の友人の弟(当時20代)は1980年代末にこの山で亡くなっています。単独登山だったことに加え、嵐に巻き込まれたうえ高度障害が大きく響いていたのではないかと推察されます。高度障害は酸素ボンベなどで体内組織に酸素を供給すること、即時下山して高度を下げることで、重篤になる前ならかなり措置できます。なるべくリスクを排して息長く楽しみたいですね。 |
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