oraciones cortas

 「つり銭の話」  (23/04/2006)
   
アルゼンチンに来て、買い物やタクシーに乗った時など、すぐに気づくことの一つに、つり銭がある。例えば、今日、近くの
DISCOというスーパーで買い物してきた。
  LATITUD33というMendozaのワイン        ...12.5ペソ   
    鶏のささ身504グラム                 ...7.66ペソ   
    Knorr鶏肉のスープの素1箱             ...3.59ペソ   
  牛乳1リットル                     ...1.85ペソ   
    ハム10枚、206グラム                 ...3.89ペソ        
  SanCorチーズ12枚、200グラム              ...4.29ペソ    
    ArCor スパゲティ用Neapolitanソース1缶  ...2.19ペソ   
   合計                            35.97ペソ     
そこで、100ペソ札のお札をだすとどうなるか?日本的に考えれば当然、64.03ペソのおつりが戻ってくると考える。    
実際には、戻ってきたおつりは、64ペソ。3センターボ(100センターボ=1ペソ)のおつりは、戻ってこない。この国では、
センターボの貨幣単位があるにもかかわらず、1センターボ硬貨が、出回ってない。5センターボ硬貨はある。そこでお店
は、合計の35.97ペソを36ペソに切り上げ64ペソを客に戻すか、35.95ペソと切り下げ、64.05ペソをお客に戻すかの選択を
迫られる。DISCOというスーパーは、前者を選んだ。本来お客に渡るはずのもう「3センターボ」を自分のものにしてしまっ
た。後者を選び、本来の売り上げから「2センターボ」デスカウントして、販売する良心的なお店もある。ただ、スーパーな
どでは、切り上げして、数センターのおつりは戻さないのが普通である。たかだか3センターボのことなので、おつりを戻さ
れなくとも、誰も、この数センターボの端数についてクレイムをつけない。ただ、レシートには、35.97ペソと記載されている
ので、この3センターボは、帳簿に不記載の利益になる。CNA(注1) NEWS(注2)によると、この総額は、アルゼンチンで
年間、総額約14億5000万ペソ(およそ435億円)となっているそうで、消費者は、この金額分の損をしていることになる。
消費者に有利になるように、端数を切り捨てておつりを渡すように定めた法律はあるそうである。35.97ペソの場合は、
35.95ペソと切り下げ、64.05ペソをお客に戻すよう定めているということである。ただ、そんな法律があること自体、アルゼ
ンチン的である。1センターボ硬貨を発行すれば済む話なはずであるが、コストの問題もあるのかも知れない。また、法律
があっても守らない、守らなくてもとがめられないられないし、とがめもしないというのも、いかにもアルゼンチン的である。
 CNA NEWSによれば、アルゼンチンではもともと端数を大まかに扱う傾向と事情があったらしいということである。
80年代にインフレが続き、90年代初頭にデノミが実施されるまでアルゼンチンの通貨はゼロがいくつも並ぶアウストラル
(*注3)が使用されていた。通貨の切り替えにより1000アウストラルは1ペソへと切り替えられ、通貨のゼロの数は大
幅に減ったが、小額の端数にこだわらない習慣はそのまま残ったとういうことである。
 以下は、私見であるが、こういった国の基本にかかわる通貨の問題を政府がいい加減にしている、即ち、センターボの
貨幣単位があるにもかかわらず、1センターボ硬貨を発行しないというのは、政府の怠慢としか言いようがない。もともと、
アルゼンチン人は、よく言えば「細かなことにこだわらない」、悪く言えば「いい加減」な気質があるところに、お金という基
本的な事柄を、政府の無為で、国民に、子供のころから、お金をいい加減に扱う習慣を植え付けているように思える。
このような事柄は、頭の良い人が多いアルゼンチン人は、当然気づいているはずなのだが、デモをよくやるアルゼンチ 
ン人が、こういった点についてデモなどしないのも、やはり、アルゼンチンであるからだからなのかもしれない。
*注1:CNA=Centro Nikkei Argentino=社団法人アルゼンチン日系センター
*注2:CNA NEWSは、CNAが発行している電子メールによるニュース配信。
  今回引用したNEWSは、2006年4月19日発行のもの。
*注3:「1990年現在、通貨の単位には、アウストラルとペソの2種類ある。1アウストラルは1000ペソにあたる。」という文
  章がwebにありました。