| "ホームレス"という言葉は、日本でもお馴染みの言葉である。人ごみのな |
| か、遅れないようにとせっせと会社へ向かう朝の通勤路の近くで、夏など、 |
| 気持ちよさそうにベンチで寝ているホームレスを見ると、いかにも心地良さそ |
| うで、羨ましかったことを覚えている。 |
| スペイン語で "ホームレスは"sin
hogar (sin=without, hogar=home)"とな |
| る。 アルゼンチンでは、sin hogar
は人間だけでなく、犬にも沢山のsin hogar |
| がいる。裕福な家庭で飼われている"幸せな"犬は、忙しいご主人に代わって |
| 犬の散歩屋さんに、ヒモに繋がれて他の仲間と一緒に公園など散歩しており |
| 写真のような光景を見かけることがある。ところが、町や公園で見かける犬 |
| は、ほとんどが、ヒモがついていない。即ち、ホームレス犬
Perros sin hogaで |
| ある。 |
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彼らの多くは、昼は寝ている。歩道は自分のものと思っているらしく、歩道 |
| の真ん中でも、平気で居眠りをする。人通りが多くても、全く無頓着で、歩道の |
| 真ん中で死んだように寝ている。人々は、それを気にするでもなく、よけたり、 |
| またいだりして通っていく。 |
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犬についての知識はないが、シェパードのような大型の立派な犬が多い。 |
| 真偽の程は知らないが、これらの犬は、小犬の時は、家庭で飼われていた
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| が、大きくなって、飼い主が、与える餌の費用に耐えられなくなり、放ったもの |
| という説明を土地の人から聞いた。 |
| 昔は、市役所の担当者が、Perros sin hogar を捕らえて処理していたそうで |
| あるが、今は、カトリックや動物愛護団体が反対するため、これができないそ |
| うで、町には、Perros sin
hogar が、いたるところに寝そべっている。 |
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幸い、これらの犬は、通常、人間には関心を示さず、人に吠えたり、噛んだ |
| りすることはないが、時に、走るものに反応して吠えて追いかけることがある。 |
| 自転車、オートバイなどに乗っている人を追いかけたり、自動車を吠えて追い |
| かけている様子を見かけることがある。自転車に乗っていたところ犬に噛まれ |
| たという日本人がいたそうである。犬に噛まれたら、すぐに病院へ行って、狂
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| 犬病の予防注射をしないといけない。万一、発病したら治療の方法はないの |
| で、命を失うことになる。 |
| 時に、Perros sin
hogar は、4,5匹で群れをなしていることがある。これらが |
| 団地などで住んでいると、自分の縄張り意識があるようで、こういった団地を |
| 横切ったりすると、群れの中のチンピラ犬がまず吠えて近寄って来る。すると |
| ボス格の犬も同調して、吠えて群れが一斉に吠えて近寄って来る。自身、こう |
| いった気持ちの悪い経験をしたことがある。
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| 愛情の深い人々が住むこの国では、Perros sin hogar も、"幸せ"に暮らし |
| ているように見えた。 |
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